毎週、相方とTVerでドキュメンタリーセブンルールを見るのが日課となっている。セブンルールとはいわば女性版情熱大陸。
情熱大陸とは違い、有名人や芸能関係者はほぼ取り上げず、ビジネスオーナーを紹介する為、毎回新たな視点の発見や気付きを与えてくれる。
前回、紹介されていたパティシエ「庄司 夏子さん」のマーケティングが興味深かったので、深く調べてみました。
庄司 夏子さんとは何者??
東京都出身。1989年生まれ。駒場学園高等学校 食物調理科を卒業後、複数の有名料理店を経て22歳で独立。季節のフルーツを贅沢に使用し、完全予約制・数量限定販売のケーキ『フルール・ド・エテ』が「幻のケーキ」と呼ばれて話題に。2015年に、住所・電話番号非公開、1日1組の完全紹介制の「été(エテ)」をオープン。
2020年に、「アジアのベスト・レストラン50」において「アジアのベスト・パティシエ賞」を日本人として初めて受賞。東京女性経営者アワード「継続成長部門」受賞。
同世代で短期間で人気店に育て、本人のファッションも凄くおしゃれで飲食を目指す女性には多くのファンが居るような。
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パティシエの現実と庄司さんの凄さ
以前から個人的にパティシエにはかなり深い闇があると思っていた。
幼い頃、女の子のなりたい職業ランキングに常に上位に上がるケーキ屋さん。ただ、職人気質の業界で、力仕事も多く、実際専門学校を卒業してもライフイベントもある女性にとっては定着しづらい職業だそうだ。
その闇を壊すヒントをくれたのが、庄司さんのビジネス設計だと思う。
高単価(客単価数万円)×希少性(一日一組限定)で人気店に押し上げた「庄司 夏子さん」のエピソードに目からウロコだった。
私自身以前飲食店でバイトをしたことがあったのだが、料理やパティシエの方は圧倒的に「職人」であり、「マーケティング視点」が抜けていたのだ。
庄司さんのマーケティングは何をしたのか?
特別裕福な家庭でもなく、一般家庭の庄司さんは一体どのような戦略で短期間でここまでの人気店に押し上げたのか?
実施したマーケティングを元に実際の他のビジネスにも転用できないか考えてみたいと思う。
1.店舗オープン前に綿密なPR戦略のプランニング
短時間で認知を獲得するためにメディア露出は「マンゴーのバラのタルト」のみに絞り露出。結果短期間で店舗認知を獲得。
その後、住所・電話番号非公開のレストラン「été」をオープン
一日一組限定という、極端に少ない客数限定にすることで、需要の供給量を減らすことで市場価値を上げる事を目的と番組内で仰っていた庄司さん。
通常、飲食店は「客単価×回転率」でいかに効率よく客を回すかを考える思考とは全く逆な思考だ。
また、別のインタビュー記事で以下の事も話していた。
1日1組の完全予約制なら、売上も多くないかわりに経費も少なく、廃棄などの無駄もない。蓋を開けてみると、着実に利益が上がっていました。
食品ロスの多い飲食店においてはメリットも多いようだ。
スモールビジネスのブランディング法
庄司さんの「高付加価値×ブランディング」の手法はスモールビジネスの勝ち筋の一つを示したと思う。
特に参入障壁の低い飲食店やスモールビジネスオーナーにとって必要な考え方ではないだろうか。
一方でスモールビジネスのブランディングといってもどうしたらいいのか分からない?という方も多いのではないのだろうか?
実際にマーケティング関連の本で紹介されているブランディング事例も、大手企業の事例を元にしたストーリーテリングや顧客視点などスモールビジネスに転用するには難しい事例が多い。
そこで、スモールビジネスにおけるブランディングを考えてみた。
1.強みを再認識する
意外と店舗は自分の店舗の強みを認識していないことが多いと思うことが多い。
クライアントとの最初の打ち合わせで現状把握の為によくSWOT分析を活用するのだが、意外と自社の強みが分かっていない場合が多い。
自社のサービスの強みは何なのか?を改めて考える事から始めてはどうだろうか?
参考にホテルを例に作成したSWOT分析例を添付しておきます。
2.強みを掛け算する
スモールビジネスで圧倒的な一つの強みを持っているビジネスは少ないのではないだろうか?
→突き抜けた1つの強みあればそれで食っていけるわ!とツッコミ入れる方もいるかもしれない汗
そこで有効と思われる考え方がリクルート出身で民間の校長になった藤原和博さんの著書に書かれている考え方だ。
圧倒的なナンバーワンになるのではなく、1/100の強みを2つ持つことで1万分の1の優位性を持ち圧倒的市場価値を生み出す考え方だ。
通常「絶品スイーツ」や「運転代行サービス」では差別化は難しいが、「絶品スイーツ×バー」や「女性特化×代行運転サービス」など他の2つ強みを掛け合わせることで唯一無二の強みにする事ができるのではないか。
3.露出する際はトンマナ&イメージカラー&フォントを統一する。
スモールビジネスのオーナーでデザイナー出身の方は少ないと思う。
そのためかSNSでの露出やブランドカラーなどマチマチになっている事が多い。
最低でもトンマナ&イメージカラー&フォントの3つは統一させる必要があると考える。
最後に
庄司さんの事例はスーパーレッドオーシャンの飲食業において、差別化&ブランディングの成功事例だろう。
コロナの収束後改めて飲食業やスモールビジネスの開店が増えることが考えられるので参考になれば幸いです。
その他、マーケティングやプロモーション関連のお悩みについては気軽にSNS経由などで気軽に相談ください。